「アジア人への人種差別攻撃だ!」上院議員、フランスのラジオのコメディアンに激怒!

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

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Jean-Vincent Placé フランスの日常
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ヨーロッパ・エコロジー=緑の党所属議員連盟長 ジャン=ヴァンサン・プラセJean-Vincent Placéが、ラジオ局「ヨーロッパ1」のコメディアン、二コラ・カントゥルNicolas Canteloupに不快感を示しています。

と言うのも、

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人種差別的内容のコント

問題が発生したのは、木曜日に放送された番組の中で、二コラがプラセ氏を嘲笑するコント。

内容は、普段しゃべってる時は、パリジャンのアクセントのフランス語だけど、収録番組が終わったら

「もう終わり?元のしゃべり方に戻していい?」

強いアジア的なアクセントでフランス語を話し始める

と言うもの。

その他にも、ジャッキーチェンに似てるとか、中国語をしゃべるとか、完全にアジア人の外見に対する、フランス人がよく言うステレオタイプな物言いをいっている。

実際、プラセ氏は、生まれは韓国だ。(中国人でもない)

しかしその後、7歳の時に、フランス人の両親に養子縁組されフランスに来たのだ。

なのでフランスで育ち、フランスの学校に行った。だから外見はアジア人でも、彼の話す言葉に大人になって来てからフランス語を学び始めたアジア人のようなアクセントはない。

それなのに、外見だけで判断してアクセントがあると言うような人種差別するような内容を、多くのフランス人が聞いている公共の場であるラジオで披露することは、アジア人に対する人種攻撃でしかない。

ということで、twitterで、プラセ氏は二コラにやんわりとフランス人らしく、皮肉たっぷりでやめてくださいと言ったことが大きく話題に取り上げられた。

「親愛なるムッシュ@CanteloupOff、国を愛しているフランス国民を傷つる、失礼で下品な物まねをやめていただけますか?」

「私の声の物まねをすることで、私とキムチの昼食をとる権利を勝ち取りましたね。敬具」

その後、21日(日曜日)のテレビ番組テレビにゲストとして招待されたが、プラセ氏の反論は止まらない。

「どこにアクセントがあると言うのですか?」
Il est où mon accent ?”, a interrogé dimanche 21 septembre Jean-Vincent Placé.

“Je subis ce genre d’attaques quotidiennement depuis 37 ans. Je trouve que la caricature est grossière. Le pire c’est que lorsqu’on ne rit pas de ce genre de blagues, on passe pour le mauvais coucheur, comme quelqu’un qui n’a aucun humour. Prendre un accent chinois aussi caricatural pour imiter quelqu’un qui a fait l’effort de s’intégrer, je trouve ça plus que limite. C’est vulgaire, grossier, stigmatisant. Nicolas Canteloup est vraiment le nouveau Michel Leeb. La parole s’est totalement libérée quand il s’agit de prendre pour cible une communauté d’origine asiatique. Les médias sont partie prenante de ce relâchement”

「この種類の攻撃にあ、37年間耐えてきた。風刺(歪曲)は失礼だと思う。だいたい最悪なのはこの手の冗談に笑わないと気難しい奴とか冗談が通じない奴扱いされる事。同化しようと努力している人を、中国アクセントで物まねするのも、限界を超えてる。それは下品で失礼でレッテル張りだ。Nicolas Canteloupは、ほんとに新たなMichel Leeb(*)だ。アジア出身者を標的にするときは、なんでもありだ。メディアはそうしたことの当事者だと言える。」

*Michel Leeb:現在はしていないが、昔、アフリカ人の話し方の物まねをして一世風靡したコメディアン。人種差別であると批判を受けた経緯がある。

“Vous croyez que ça fait rire mes parents ? Vous croyez que ça fait rire ma famille ?”, s’est indigné Jean-Vincent Placé, pour qui, “dans la période d’aujourd’hui, où quand il y a 25% d’électeurs du Front national et que toutes les digues sont enfoncées”, qu'”il y a des flopées de gens qui subissent le racisme, ce n’est pas drôle”.

「あなたは、私の両親がこれを見て笑うとでも思うのですか?私の家族が笑うとでも思うのですか?」
「現時点で、国民戦線の有権者25%だったとしても、壁は破られている。大勢の人が人種差別に耐えている。まったく面白いことではない」

“Dans un contexte en France de déchaînement raciste, antisémite, xénophobe, cela ne me fait pas rire, a jugé l’élu EELV. Le racisme, beaucoup de personnes le subissent chaque jour sur d’occultes sites internet. Mais là, sur Europe 1, à une heure de grande écoute, c’est scandaleux. Ce cher Canteloup a visiblement un melon disproportionné.” Avant de promettre : “Pour l’instant, je ne dépose pas plainte, mais soit il arrête, soit ça va être la baston !”

「私には笑えないことだが、EELV(*)で判断の上選ばれたのは、フランスの人種差別・反ユダヤ主義・外国人嫌いの猛威という背景がある。インターネット上で日々行われる人種差別に多くの人が耐えている。しかし、”EUROPE1”は物凄い人数の人が聞いてるんだ。すごいスキャンダルだ。このCanteloupは、不釣合いなメロンだ。」
「今のところ、訴えたりはしないが、物まねを止めなければ交戦となるだろう。」

*EELV:Europe Ecologie-Les Verts ヨーロッパ・エコロジー=緑の党

人種差別発言を冗談では通じなくなってきている時代

昔は、フランスの公共番組でも、ドイツ人やアフリカ人や他の人種をどんどん嘲笑するような番組は多かったものです。

その一つがMichel Leebのアフリカ人の物まね

ある年配の女性が、今でも内輪な集まりでアフリカ人ネタを振ってくるのですが、最近の若者はそんなこと言われてもどう対応していいか戸惑っている人もいます。

時代的に、それは人種差別に値して、してはいけないと思い始めている世代。

でも、どうして年配の女性は普通にみんなが笑う冗談だと思っているのかと言うと、やはり

「Michel Leebのアフリカ人の物まねをして笑を取っていたという刷り込みがあるから」

と言うのも原因の一つなんだろうなと思うわけです。なので、やはり公共の場での嘲笑には断固反論したいところ。

プラセ氏のこの「怒りを表明」で、世論がどう反応するか、今後が楽しみです。

参考 Michel Leebのアフリカ人の物まね

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