フランスの階層社会と社会格差と義務教育

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

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社会格差 義務教育 フランスの文化・習慣を知る
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はーい(^O^)/Ulalaです♪今日はフランスで義務教育がなぜ重要とされているかだよ~(^^♪

今日、いいねされていたので、たまたま昔の自分がしたツイートを見たら、1400以上いいねいただいていたびっくりしました。(現在は、1670以上いいねされています(^^♪)

私自身、フランスに来るまで格差や社会階層がここまであることを理解していませんでした。日本ではこれほどまでの格差がなかったからです。

私は、日本の感覚のまま平等にフラットに人と接するのがあたりまえだと思っていたら、こちらではそうではなかったのですね。

だから、最初その感覚がよくわからなくて苦労したんですよ。

ということで、今日は、フランスの階層社会、格差社会の流れから、なぜフランスで義務教育が重視されているかまでまとめてみたいと思います(^^♪

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フランスは階層社会、格差社会

フランスは、知っての通り、歴史的にもくっきりとした階層が存在していた社会でした。

聖職者と貴族が優雅な生活を送っている中、農民をはじめとする労働者は重い税金に苦しめられた苦しい生活をしていたのです。

貴族 階層社会 

それに反発して、1789年フランス革命が起こるわけですが、貴族はいなくなったけど、結局、ブルジョアが幅を利かしただけで終わりました。

革命おこしたものの結局、階層があるのには変わりません。しかも、その階層を這い上がることがとてもできにくい教育システムになっていました。

おまけに

階層=収入格差

直結です!

それは本当に不平等です。

だから、現在もエリートと労働者の対立が起こるのです。

エリートと労働者の対立

階層があるから、社会階級ごとの文化が生まれた

現在は、かなり改善されてきましたが、昔は、本当に階層を超えることができにくいシステムであったため、フランスは長いあいだ階層がほぼ固定されていました。

そして、その社会階級を子供も引き継ぐことになります。

その意味は、

エリートに生まれたら子供もエリート。

労働層に生まれたら、その子供も労働者

ということ。

エリートと労働者

階層が固定されるということは、各階級、隔離された生活圏があったということでもあります。そのため、

社会階級ごとにまったく違う文化や習慣が発達

そのことを解き明かしている本がこの『ディスタンクシオン』

ディスタンクシオン〈普及版〉I
ピエール・ブルデュー

絵画、音楽、映画、読書、料理、部屋、服装、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚……。毎日の暮らしの「好み」の中にある階級化のメカニズムを、独自の概念で実証した

ディスタンクシオン〈普及版〉II 〔社会的判断力批判〕
ピエール・ブルデュー

絵画、音楽、映画、読書、料理、部屋、服装、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚……。毎日の暮らしの「好み」の中にある階級化のメカニズムを、独自の概念で実証


社会階級ごとに、人々の考え方や表現の仕方、訴えていることが違う

ほんとに違うんです。

フランスの文学の授業では、文学を読み解くための言葉として階層の区別が普通に使用されています。

その見分け方を習って感心したものです。

それほどフランスは階層があることが当たり前だった。

しかし、社会階級が固定していたので、格差も固定していました

しかもさらに問題なのが、戦争で多くの国民を亡くした時、ヨーロッパから移民を受け入れたのがうまく行ったので、

高度成長期に多くの労働者が必要になったため、主に植民地だった地域から移民を受け入れた

けども、高度成長期が終わっても移民は全員帰るわけもなく多くの問題を引き起こす原因となりました。

労働者として働けてればまだいいのですが、親のレベルを継続することが日常になっているフランスで、

教育をあまり受けていない親のレベルを継続してしまい、

学校もうまくいかず、知識が足りないために仕事すら見つからない若者が増加したのです。

さらに、格差が広がりました。

それでは、平等な生活とはいえません。

でも、人々は平等を望んでいます。

そこで、どうやって平等な社会に作り上げていくかと考えた時、それは教育が大きなカギの一つを握るのです。

だから、義務教育が重要に。

なぜ、フランスでは義務教育を重要と考えるのか

ジャンミシェル・ブランケール国民教育相により、フランスで3歳からの教育が義務教育の一環になった時、

学校が、フランス共和国の歴史と切り離せないほど重要な役割を果たしている理由についてこう語っていました。

革命から約100年に及ぶ不安定な時期を経て、共和国の基礎を強化するために学校に力を入れた。
学校を通じて国民に知識を与え、フランス国民として育てようという考えた。
その目的は皆が人生の平等なスタートラインに立てること。

生まれた家庭の都合ではなく、自分次第で将来が決められるように、家庭の経済レベルや社会的な要因によらないようにしなければいけない。

フランスでは現在、学校に通う約20%が期待されている成績に達していません。成績の格差は、社会的背景の格差と相関関係にあります。

それを償うのは学校の役割なのです。そして、それが義務教育の役割です。

また、学校自体をどういう場だと考えているかといえば

他者との違いに対する理解度をあげたりするような共和国的な価値観を身につけさせる。

学校教育の使命は知識を与えるだけではなく、共和国的な価値観を伝えることでもある。
義務教育を3歳から、その狙いは? フランスの教育大臣に聞いた:朝日新聞GLOBE+
フランスは今秋、義務教育が始まる年齢を6歳から3歳に引き下げる。欧州ではハンガリーと並んで、最も低年齢から義務教育が始まる国になる。既に97・6%の3歳児が日本の幼稚園にあたる「保育学校」に通っているが、あえて義務化に踏み切った狙いは...

そのため、小学校に入る前から語彙など増やし、フランスの価値感を共有した同じスタートラインで勉強を始めれるように、3歳からの教育を義務にしたんですね。

また、義務教育が重要な役割を果たしている理由は他にもあります。

子供たちが義務教育として学校に行くことは、子供を労働から解放させる面もありました。

子供を労働から解放させる

昔は、子供たちは常に、特に貧しい家庭で、自分自身とその家族が生き残ることができるように働いてきました。産業革命は、より多くの労働力を必要とすることによってこの現象を増幅させました。しかし、産業革命後の仕事内容が、子供の健康に大きな影響を与えました。

兵役時にとった統計によれば、工業化された部門で働いていた若者の健康状態は非常に悪く、地方からくる若者の2倍、健康問題で苦しんでいたといいます。

そこで、1882年に子供たちが学校にいくことを義務とすることで、労働から子供を解放したのです。

しかし、例え、子供が家族のために働きにでていても、大人の半分以下、もしくは3分の1の収入にしかなりませんでしたが、無くなることは、それなりに家計に影響を与えるため、反対する家族もいました

そこでできたのが「家族手当」。児童労働を禁止することによる補償をすることで、子供を学校に行かせることに同意を求め、義務教育を受ける子供たちの割合を増やしていったのです。

Le travail des enfants au XIXe siècle
L’apparition de nouvelles techniques, le développement de la mécanisation industrielle, la production concentrée en usine, des tâches de plus en plus ciblées, e...
1882 : l’interdiction du travail des enfants et l’école gratuite – Collectif POP

まとめ

ということで、フランスは、

・職を見つけられない、賃金が安い職につかつけないなどからくる社会格差を抑制するために知識を付けるため

・他者との違いに対する理解度をあげたりするような共和国的なフランスの価値観を学ぶため

・子供が労働することは、発達に害を及ぼすこともあることを踏まえ子供の労働を制限するため

主にこういった理由のために、義務教育を重要視しているんですね。

義務教育を放棄することは、自らが社会格差の中に身を投じ、弱者になるかもしれない選択をしていることとも言えます。

親の知識レベルが低い家庭が多いフランスでは、それは致命的なことだけども、もともと親自身も教育を受けていないため、そのことを理解できない人が多いため、かなり詳細に規則を決めて義務教育を推進しているのです。

まあ、フランスだけではなく、日本でも、子供が生きていくために、義務教育期間の教育はとても大切なことは間違いありませんね。

でわでわ、また明日~(^^♪

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