今やっている『逃げるは恥だが役に立つ』と言うドラマ見てますか?
すごいですね。。。
家事と言う仕事に喜びと可能性を見いだした女性が「就職としての結婚」を持ちかけ、その提案にメリットを感じた男性が了承し、2人は「事実婚」のメリットを活用しつつ、「契約結婚」という道を選ぶ。
と言う内容です、ドラマの中ではこう語られていました。
「事実婚」
「仕事としての契約結婚」
「フランスでは割とポピュラー」
「フランスでは普通」
え?事実婚が普通はいいとしても、仕事としての契約結婚は普通?
フランスと日本の結婚制度の違い
契約結婚の話しが出てくるドラマ、略称は『逃げ恥』(にげはじ)は、要するにフランスというか、シンガポールなどでは一般的な
住み込みメイド
を、お得に、親でも納得がいくような世間も納得する体制を考えたところ、「事実婚」と言う形でやっていうこうと言うわけです。。。。が、、、
ないヾノ ゚ω゚ )ナイナイ
いや~~「事実婚」やそれにまつわる関連の話しの認識がなにかおかしくないですか?「契約結婚」の意味をはき違えているし。
とは言っても、まあ、ドラマは漫画を元にした架空のお話しで、ガッキーも可愛くて、面白いし、本心はこのままの設定を楽しんでいるのでそれでいいんですが(笑)
でも、将来のために、ここで間違った認識が定着しないように、フランスではポピュラーと言われる「事実婚」事情をフランスと日本それぞれまとめて、比較してみたいと思います♪
森山みくり(25歳)、彼氏なし。院卒だけど内定ゼロ、派遣社員になるも派遣切り、ただいま求職中。見かねた父親のはからいで、独身の会社員・津崎平匡(36歳)の家事代行として週1で働き始める。両者ともに快適な関係を築いたふたりだが、みくりが実家の事情から辞めることに。現状を維持したい彼らが出した結論は、就職としての結婚――契約結婚だった! ひとつ屋根の下、秘密と妄想(?)の生活が始まる……!
フランス結婚形態一覧
フランスでは1999年に民法改正され、結婚の他にPACSと言う婚姻より規則が緩く同棲よりも法的権利などの受けれる家族の形が認められるようになりました。そこで、現在は、3つの家族の形があります。
- 結婚(Mariage)法的に家族として籍を入れ、日本と同じように子供や伴侶の扶養の義務が発生する。伴侶の死後、遺族年金を受けれたり、一緒に住んでいる家の権利を遺産として50%は受け取る権利もあったり法廷に守られる。ただし、結婚にも書類も多く時間がかかりとても手間。離婚は協議離婚できず(2017年よりフランスも協議離婚できるようになりました。)、裁判所を通すので最低1年はかかる。現在は同性でも結婚することが可能になった。
- PACS(Pacte civil de solidarité パックス)結婚よりはるかに手続きが簡単な、共同生活の契約。当事者自身が相互の権利と義務の関係を決め契約内容にした契約書を自由に作成。特別な取り決めをしない限り、カップルはそれぞれの資金能力に応じてお互いに助け合う義務がある。生活上必要な出費に関する借金はカップルは連帯で返済の責任がある。結婚してる時と同様の社会保障、共同申告により税金などの優遇措置が受けられる。しかし、あくまでも、個人と個人の共同生活であり、伴侶が亡くなったら、個人に戻るだけで家族として伴侶の築いてきたものは反映されず、残された相手の生活に必要な財産は遺書を残さない限り保障されない。また伴侶の遺族年金も受け取れない。契約破棄(離婚に相当)は、両者の同意は不要で一方からの通告のみでよい。
- 同棲(Union libre ユニオンリーブル)
一緒に住んでいると言うことが認められるだけ。個人と個人の集まり。手続きも許可も一切必要ない。家族としての優遇措置などはない。両者の間に問題が起きても法的な保護は殆どありません。そのため賃貸借契約をしていた伴侶がなくなると、賃貸借契約も破棄されてすぎに追い出され、悲惨な状態になる同性者カップルが多いことなどが問題になったことをきっかけにPACSが作られました。Union légale(法的に認められた関係=婚姻関係)」と区別する表現で「法的拘束を受けない関係」と言う意味
よくフランスではポピュラーな「事実婚」と言うのは、このPACSのことであり、契約結婚と言うのは、相互の権利と義務の関係を決め契約内容にした契約書を自由に作成し、それを裁判所に提出して公証してもらうことと言うことです。
契約内容は、お互いの資産を共同管理するか、個人管理するか、負担の割合など、契約と言っても個人と個人として共同生活をしていくためと、その後のトラブルを回避するためにお互いが納得いく方法をまとめただけで、「結婚」を選択しても作成することができます。
それよりもフランスの「契約結婚」の印象を広めたのはやはりサルトルとボーヴォワールの影響ではないでしょうか?
フランスでは神格化されていて男女の新しい関係を造りあげたカップルと言われています。当時はブルジョア層の間では、女性が結婚して男性の扶養に入ることは当然のことでした。また、カトリックの影響が強いため、女性が男性に従属することが当然とされていたのです。
サルトルは「結婚と言う約束はしないしその後の保障はしないが、3年間はカップルとして生きていこう。」とボーヴォワールに言います。伴侶保護の義務や貞操の義務を負わないけど、ボーヴォワールも好きなことをすればいいと提案したのです。
実際は、サルトルの一方的で不均等な約束であったと言われていますが、そこは知能が高き上ちゃんとした教育も受けたボーヴォワールと一般的な女性との違うところ。周りの女性が結婚して味わっているのと同様な苦悩と苦労を感じても、そこでくじけることなく、そこからなぜ女性は苦悩するのか、苦労するのかということの結論を導きだし、最終的に女性のあり方はどうあるべきであるかを一冊の本にまとめあげました。その考え方は、男性に従属を求められ苦悩する多くの女性達に大きな感銘を与えることになるのです。
男性に従わない生き方を契約しての結婚。それが「サルトルとボーヴォワール」が模範を示したフランスの「契約結婚」と言えるでしょう。
参考
日本の結婚形態一覧
さてお次は日本の結婚形態一覧です。
「はっ?日本の結婚形態一覧っていっても、何言ってるの?”結婚”って言ったら、日本では”結婚”の一つしかないでしょ?」
と言う声が聞こえてきそうです。
いやいや、それが違うのです。
実は、日本には昔から籍を入れてなくても、フランスのPACS同様に結婚同等の関係が認められている形態があるんです。
それが
「内縁の関係」
男女が婚姻の意思をもって共同生活を送っているものの、婚姻届を提出していないケースです。
「準結婚」と言われており、それがいわゆる「事実婚」にあたります。
この「内縁関係」と言う言葉は、なんだから事情があって籍を入れれない後ろめたい関係のようなイメージがありますが、本人の希望で籍を入れていない「事実婚」と法的にはなんら変わりありません。
しかも、日本の「事実婚」と言うのは、フランスの「同棲」ぐらいのだと思っている人も多いようですが、とんでもない。
ハッキリ言って、
日本の「事実婚」はフランスの「PACS」よりもすごい
おまけに、日本の「事実婚」はフランスのPACSよりも歴史が古い。
だいたい、結婚届やら、籍やら言い出したらのは明治民法から。
江戸時代の庶民の結婚は「法律婚」というよりは、「事実婚」といえるものです。江戸時代は親、親族、町や村の共同体からの承認が前提の婚礼の式が重要になってきます。
しかし、その後、日本が開国させられてキリスト教思想もどんどん入ってきたことや、明治から始まった戸籍制度、家制度のせいで、いろいろと変わってきます。
ですが、明治から届出による届出婚主義が採用されたにもかかわらず、旧慣習で結婚する場合も含め、親の承諾が必要なことや推定家督相続人は他家へ入ることができないなどの家制度によって籍を入れることはできないなど、社会的要因から戸籍を入れないで結婚している内縁関係のカップルは絶えませんでした。
結局、徐々に内縁関係も法律上の権利も認められるようになっていきます。1931年には内縁関係について「将来において適法な婚姻をなすことを目的とする婚姻の予約である」と言う判例が出たり、1958年には「内縁関係を婚姻に準じる準婚関係であるとみるようになる」という判例もでて、「内縁関係=準結婚」となっていったのです。
それでは、日本の結婚形態の一覧です。
- 結婚子供や伴侶の扶養の義務があり、法的に家族として籍を入れること。結婚届だけできて、フランスより比べてもPACSよりも日本で結婚するのは簡単。扶養家族や同性では結婚不可。
- 事実婚(準結婚、内縁関係)
特別縁故者で配偶者扱い。賃貸借の継続も可能。医療、健康保険など社会保障が受けれる。籍を入れた配偶者がいなければ、年金も受け取れる。ただし、税金は個別に収めるので、税金の配偶者補助は受けれないし、シングルマザーだった場合事実婚になると児童扶養手当(母子手当)は打ち切られます。しかし、扶養手当などは受け取れるようになります。 - 同棲一緒に住んでいると言うことが認められるだけ。法的優遇はない。
上記には書かれていませんが、実は、
日本の結婚自体、PACSよりも書類関係は簡単です!
事実婚に至っては、基本は書類すら要らない!
書類も出さないなら、同棲と変わらないのでは?と思われますが、一緒に住んでいることは同じですが、「事実婚」が「同棲」や「ルームシェア」と区別される点があります。それは、
「社会一般においての夫婦としての実質をもっていること」
要するに、結婚生活と同様な生活をしているかが問われると言うことで、他人名義の家に一時的に転がり一緒に住んでいても「事実婚」にはなりません。そこで、収入を共同会計にしていたり、二人で子供をもうけ二人で育てている形跡があったり、他人から見ても結婚と同等の生活が行われていることが重要になってきます。
なので、なんらかの書類を出さなくても、それを証明するのに、
- 住民票(住所)が同じ
- 賃貸借契約書に二人の名前が書いてある
- 通帳(二人分の収支が同一通帳に表れている)
etc
といったような実生活が分かる書類があるだけでいいのです!
しかし、それでは結構あいまいだなとも思いますよね・・・。多分、これって、何も考えないで一緒に暮らしてきたけど、ある日本当に「内縁関係」だったのか証明が必要になった、それを見極めるための項目ではないかと想像します。
しかし、昔と違って戸籍を入れることの方が普通になった現代では、「内縁関係」とは違って
「事実婚」は自分の意志で戸籍にいれないと言う選択
そういう場合、はっきりと事実婚である意思を示す方法があります。
それでも、その方法はとても簡単。
それは、住民票の続柄のところに
「妻(未届)」もしくは「夫(未届)」
と書くだけ。↓『逃げ恥』でもその届け出していましたね!
こういった手続きの簡易さ以外に、フランスのPACSより日本の事実婚が勝っている点は、もう一つあります。それは、
伴侶の死後、遺族年金がもらえる
と言うこと。法律上の配偶者がいないことが条件にはなりますが、遺族年金がもらえることが認められていることは、二人の関係がPACSよりももっと家族として認められているとも言えるのではないでしょうか?
日本の事実婚を更に詳しく知りたい方は、↓こちらをおすすめ
法的な「婚姻」のかたちをとらない「事実婚・内縁関係」と「同性婚」の法律・税務・社会保険・ライフプランを各分野の専門家がわかりやすく解説 家族の在り方、パートナーの結びつき方は多様化し、法的な「婚姻」という形には止まらず、自らの意思で婚姻届を出さない・縛られないという選択肢を採るパートナーも増えてきている。また、パートナーの結びつき方は男女の結びつき方だけでなく、渋谷区や世田谷区で同性のパートナーを結婚に相当する関係と認める条例が成立したのは記憶にも新しいところだ。 しかし、婚姻届を出していないパートナーの関係は、直接的な規定が法律に存在するわけではない。本書は、弁護士、税理士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーといった各分野の専門家が、どのような場合に単なる「交際相手」ではなく法的な「パートナー」と認められるのか、子供が生まれた場合の認知、一方が死亡した場合の相続、社会保険や介護、マイホームを持ちたいときのローンの扱いはどうなるかなど、様々な問題に着目
日本の結婚形態と、フランスの結婚形態の比較表
日本 | フランス | ||||
結婚 | 事実婚 | 結婚 | PACS | 同棲 | |
---|---|---|---|---|---|
共同生活 |
義務
|
義務
|
義務
|
義務
|
法的に義務無
|
貞操義務 |
義務
|
義務
|
義務
|
無
|
法的に義務無
|
生活費分担義務 |
義務
|
義務
|
義務
|
義務
|
法的に義務無
|
連帯義務 |
義務
|
義務
|
義務
|
義務
|
法的に義務無
|
子供 |
母親の夫が法律上父親
|
父親になるために子供の認知が必要
|
母親の夫が法律上父親
|
父親になるために子供の認知が必要
|
父親になるために子供の認知が必要
|
財産 |
共同で築いた財産は共有財産
|
共同で築いた財産は共有財産
|
特別な取り決めをしない限り共同で築いた財産は共有財産
|
特別な取り決めをしない限り個別財産
|
法律上規制なし。お互いの協議できまる
|
税 |
日本は個別で税申告
配偶者控除可 |
配偶者控除不可
|
共同課税
|
分離課税、共同課税を選択できる
|
別々に申告
|
相続 |
自動的に相続権利発生
|
遺言で指名必要
|
自動的に相続権利発生
|
遺言が必要
|
遺言が必要
|
遺族年金 |
受けとれる
|
法律上の配偶者がいなければ受け取れる
|
受け取れる
|
不可
|
不可
|
なぜ、日本で「事実婚」が少ないのか?
いや~~。上の表を見ても、日本の「事実婚」はフランスのPACSとそんなに変わらないし、それよりも他に籍を入る人がいなければ年金ももらえて、フランスよりもよいぐらいです。
それなのに、「フランスにはPACSがあってすごいいいとか言っている」人が多いのは、一体何が問題なんでしょう?
まず、考えられる大きな原因は、
日本では事実婚では世間体が悪い
ということではないでしょうか?
結婚していないと言うことは、不倫、お妾さん的なニュアンスがあったりして、どちらかと言うと暗いイメージがあります。
そこで、夏木マリさんの登場となります。
女優の夏木マリがなんと、ご自身の長年の事実婚を
「フランス婚」と表現
この新しい言葉は、暗いイメージを払拭したかのようです。
現在では、
入籍にとらわれない、自由な体系の家族体系
と言うポジティブなとらえ方をする人達も多くなりました。
実際、自由な体系の家族でいいんですよ!!
自分が生きやすい環境がを保つことも大切です。
↓「じつはウチ、フランス婚 ~結婚してない、でも家族」などはその例の一つでしょう。
「フランス婚」とは・・・フランス人と結婚することではありません!★フランス婚ファミリー のほほんマンガ日記★婚姻届を出さない夫婦のカタチ・・・それが「フランス婚」です。「フランス婚」、具体的に何がどうなの?どこからが「フランス婚」なの?フランスでは常識らしいけど、日本ではどうなの?
『じつはウチ、フランス婚 ~結婚してない、でも家族』では、同じ住民票で共同生活はしていないので、正式に「事実婚」であるか証明てきるのだろうか?という部分が多少疑問ですが、実は、実際の話、事実婚は同居は義務じゃないのです。しかも、お互いの親の家にみんなで行くなど「一般社会的な夫婦関係がある」ので「事実婚=フランス婚」だと証明もできそうです。
この例は極端としても、日本には「事実婚」というものがあり、「準結婚」生活を送っている人達が居ることは分かってもらえると思います。
『逃げ恥』に書かれているようなあんなサバサバな契約結婚は、フランスでもやはり流石に稀ですが、
「同棲して一緒に住めば、家賃や食費を折半できれば節約になる」
と理由で同棲して、同棲しているなら更に税金も節約できるPACSにと言う流れの人は多くいますし、いろんな形を取りながら、家族を形成してお互い助け合って生きている人は沢山います。ちなみに、日本は事実婚では国からの配偶者補助はおりませんが、健康保険や扶養手当は受けれますし、会社によって、会社からの補助とかは受けれて、同棲するよりも「事実婚」の方がPACS同様金銭的メリットは大きいことは確かです。
日本も、結婚するまでは事情があってできなかったり、勇気が持てない人でも、ぜひ、「事実婚」という形でお互いを支えあえる相手と家庭を築くことができることを、ぜひ知っておくべきでしょう♪
最終的には結婚することが法的保護の観点では一番いいのは間違いなのですが、それよりも家族がいるってことのほうがもっと大切。形式にとらわれなくても、お互いを支えられる相手がいることが、特に不安定な今の世の中一番必要なことではないかと思うのです。
そのためにも、全ての人が「事実婚」を正しく理解することも大切なことではないでしょうか。
と言うことで、この記事中がお役に立てれれば何よりです。また、正確さを期するために間違った点がある場合はぜひお知らせください。確認後、修正させていただきます!
コメント
pacsは元々同性カップルの保護のために作られたものであるのに対して、日本の内縁、事実婚は男女のみで同性愛者の事は全く配慮してないから同性カップルは恩恵を受けることができませんよね(遺族年金etc)。PACSは同性でもできるのが画期的であったのであり、同性だと全く利用できない日本の内縁がそれより優れてると言われても違和感しかありません。むしろひどい間違いでは。
返信ありがとう!何が悪いのか教えてくれる人いてうれしい
そっか。フランスもパックスする人って、同性よりも男女間の方が多いし、それができるのがうらやましいって日本の方がたくさんいたので、このように書いてみたけど、確かに同性間に関しては間違いですね。
日本は、フランスみたいに法制度紹介されてなくて、パッと目につかないだけで、実はそんな風に司法例だけで運営されてることも多ってだけで、やっぱり、男女間に関しては、日本の方がいいかなと思います。
私なら、ジャンポール・サルトル&シモーヌドボーヴォワールの様な事実婚を選択するわよ愛が全てと言う生き方ってカッコいい&結婚はしたくない&partnerが欲しいだけなのよ❤️