【同性愛婚】フランスで、女性カップルの結婚式に出席してきました。

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

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フランスの文化・習慣を知る
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お天気もよい素晴らしい土曜日の朝、女性同士のカップルの結婚式に招待されました♪

結論からいいますと、何一つ、男女のカップルと変わりありません。

招待客から、市長から、祝福で包まれた素敵な結婚式でした♪

個人が特定できない範囲で、ちょこっとご紹介。

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市役所での結婚式

日本では、結婚するとしたら、紙切れ一枚に必要事項を記入して自分が行ける日に出向いて、さらっと市役所に提出すればそれで大丈夫ですが、フランスは違います。

まず、出生証明書や独身証明書や離婚証明書、婚前健康診断書、両者の金銭の配分など決めた契約書など、必要書類を事前に揃える必要があります。そしてそれらが全て揃った上で、ようやく市役所に結婚する日の予約を入れることができるのです。

それが、市役所でのMariage Civil (民法上の結婚)

市長さんの前で、結婚を誓い、結婚する当事者が書類にサインをし、保証人がサイン、そして市長さんがサインまで終える必要があるのです。

その後、当事者の希望に応じて、教会での結婚式をする場合もありますが、本日の女性カップルの場合は、市役所のみでした。

それでも、市役所に入る時には、教会で父親が娘を花婿の元まで連れて行くかのように、新婦Aさん、新婦Bさんそれぞれの知人の男性がそれぞれの女性の腕を組んで、中まで行進。

市役所の中では、すでに市長がお出迎え。

市長は、結婚する女性カップルと知り合いってのもありますが、この市で初めての同性愛者カップルの結婚式でもあるので、通常とは多少違っているかもしれません。お出迎えは、こんな風には無いかも?

それにしても、市長。こんな風に結婚式に立ち会わなくてはならないと言うことは、土曜日はお休みはもらえないってことですね。そう考えるとあまり自由のないお仕事です。

市長に促され、式が行われるお部屋に入ると、そこには、で~んと、フランスのシンボル・マリアンヌ
フランス 市役所 マリアンヌ

新婦達と保証人達が前に立ち、市長が台にのぼって、とうとう式がはじまりました。

市長さんが法令文を読み上げ、この内容を承諾して結婚するかを両者に聞くのです。これって、教会での結婚式とほぼ同じですね♪

しかし、この時新婦Aが「oui」と言わなくちゃいけなかったのに、すぐ答えなかったものだから、

「ま~よかった。返事がなかったら、もう一回聞かなくちゃいけないところだったわ。」

と笑いながら市長さん。新婦Aさん感無量で、声が詰まっていたのかしら?

そして、その後、指輪の交換。

結婚するブーケを持ってる方の女性の息子さんが、小さなクッションに乗せた指輪を二人に渡します。

そう、そういえば、ブーケを持っていたのは一人だけでした。二人とも持ってもよかったのに(^^♪

無事に指輪交換。。。。。。

と思いきや、

指輪を落とす新婦B

そして、指輪を探す二人(笑)

「まあ、緊張しているからですね(笑)」

と市長さん。

無事、指輪の交換が終わり、次は署名に。。。

と思ったら、

今度は市長が書類を床に落としてしまう。

「まあ、緊張してるからですね(笑)」

と補佐の人。

ナイス切り返しだわ~~さすがフランス人。

そして、最後に書類2枚共に、当事者のサイン、保証人のサイン、市長のサインを経て、ようやく無事に結婚式を終えることができました。

喜ぶ二人(^^♪
女性同士 結婚

しかし、そこで、

待った

の一声。

な、なんと、息子さんが、お二人にスピーチをしたいとのこと。
、、
ここで、この記事を読んでいるみなさんに結婚するお二人の簡単な説明を。

新婦Aさんは、一度は男性と結婚したものの結婚式の次の日に夫が仕事を辞め、家庭内暴力にあい逃げる形で離婚。その後は女性とのみお付き合いするように。

新婦Bさんは、以前は男性と結婚しており、一人息子がいるものの男性との生活に合わず離婚。自分の道を生きることに。

お二人とも現在の年齢は50代後半。女性と付き合うようになったけれども、PACSしていた女性と別れた新婦Aさん。でも、女性一人で生きていくには厳しく、人生を共にできる伴侶を探していました。そこでネットで出会ったのが新婦Bさん。

最初は長距離恋愛で週末のみお互いの家に行く関係だったけれども、新婦Bさんがとうとうこちらに仕事を見つけ、ようやく新婦Bさんとその息子さんは、新婦Aさんの家に3人一緒に住めることになったのでした。

そこで、新婦Bさんの息子さんが、サプライズでこの結婚式を祝うスピーチを考えてきたのです。内容はざっとこんな感じ。

「僕たちが家族と言う形態をとってから、6年が経ちました。僕は、母が新婦Aと出会ってとてもよかったと思っています。僕も新婦Aと言う新しい母ができてとてもうれしいです。今日は、結婚式ですが、結婚しなくても、もうすでに僕たちは家族であり、3人一緒にいると言うことが一番大切なこと。これからもそれは何も変わらないことを知っています。でも、二人にとっては結婚することも意味あること。今日と言う日を一緒に祝えてとてもうれしく思っています。」

結婚式のアペリティフ

その後、市長も交えて、新婦達の家で、アペリティフをいただきました。

シャンパンで乾杯の際には、

「Aux mariées! 新婦達に乾杯!」

どこを見ても、男女カップルの結婚式と何も変わらず。

みんなで祝福し、みんなでアペリティフを楽しみ、みんなでおしゃべりして、とても楽しい会になりました。

その後、新婦達と保証人達及び家族はレストランに。

盛大なパーティーではないけど、二人はとても幸せそうでした。これまで3人で積み重ねて来たものがとうとう形になったと言ってもいいのではないでしょうか。

これから、まだまだ、大変なこともあるとは思うけど、一人ならすごい大変だけど、3人ならその大変さも分かち合えるはず。家族の形態を持つっていうことは、そういう意味でも大切なことだと思います。

幸せな3人と一緒な時間を過ごせて、とても有意義な土曜日の朝になりました♪

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