ハーバードやプリンストン、マサチューセッツ工科大学の学生たちも、50%以上が間違った問題

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

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フランスの中学校
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娘6e(日本の小6)が数学の宿題をしていたら、息子が


「違うよ。解答はこうだよ。」

と言い出しました。

けんかになり始めたので見に行った私。計算してみると確かに息子の方があっていると思うけど、娘はまったく納得しない。

そこで、息子3e(日本の中3)がクラスの何人かにSMSで聞いてみたら、

みんな、娘の解答と同じ!!

しかも親に聞いた子もいたけど、その親も娘と同じ解答をしました!!

多数決で物事を決めるシステムだったら、

「みんなそういってるから」

と正解を言った方が、責められるぐらいの人数差

私と息子が間違ってるのかと不安になるほど。。。

さて、その問題とは?

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一見単純そうな小5の宿題に隠された謎

キャラメルが入っている缶全体の重さは、1.2kg。

キャラメルのみの重さは缶より1.1kg重いです。

缶の重さはいくらでしょう?

この問題の解答に、息子は0・05Kgが正解だと言い、私も計算したところそういう結果がでました。

でも、他の人は全員0.1Kgだと言うのです。

確かにひっかけ問題で、数学の問題でもあるけど、国語力の問題になるかと思います。

缶より1.1kg重い

と言う、「より」ミソなのです。

なんと、思ったよりことは大きい話しだった

この時点で私はこう思ったのです。

「まあ、娘は宿題に出るぐらいなのだから、現在学んでいる内容で間違ってもしょうがないし、親ももう忘れてるだろうから答えられなくてもあれだけど、バリ現役の、しかも今年は中学卒業試験も控えている息子の友達が答えられないのおかしいだろ∑(・Д・; )

ってか、でももしかしたら、息子と私が間違っている可能性もある。

よ~し、ツイッターで聞いてみよう♪

と思い、質問してみることにしました。

そして、速攻で返して下さったみなさん、全て0.05kgと言う返答で、ほっと胸をなでおろしたのです。

が、しかし、意外な事実もわかりました。

ハーバードやプリンストン、マサチューセッツ工科大学の学生たちも、50%以上が間違った問題

そこには、こう書かれていました。

「バットとボールはセットで1ドル10セントします。バットはボールより1ドル高い。ボールはいくらですか」
WIRED

大多数の人は、すばやく自信をもって、ボールは10セントだと答える。しかしこれは間違いだ。正しい答えはボールが5セントで、バットが1ドル5セントというものだ。興味深いことに、高等教育を受けていても事態はあまり変わらない。ハーバードやプリンストン、マサチューセッツ工科大学の学生たちも、50%以上が間違った答えを出してくるという。

高等教育を受けても50%が間違える問題!

理由は、

人間はそのような場面で、情報を丹念に評価したり、関連のある統計データを調べたりしないという。代わりに「知的ショートカット」(mental short cuts)に判断をゆだねるため。

確かに。。。

ぱっと見は、娘の宿題の答えも0.1kgに思えます。

でも、ちゃんと考えてみると、明らかに違うことが分かる問題。

じっくり考えることは大切なこと

実は、簡単な問題だと思った小5の宿題は、そんなことを改めて考えさせてもらえる、とても優秀な問題だったのです。

更に、記事ではこう続きます。

さらに厄介なのは、このような習性は事実上、修正不可能ということだ。
・・・
つまりわれわれは、つまずく原因を知っていてもなお、進んでしまうようにできているのだ。

素晴らしい。

ここから、いろいろなことが学べるのではないでしょうか?

こんな宿題を出した先生、お互いの意見が合わなくてもめた子供達、突然の質問に解答してくれた息子の友達と親、そしてツイッターのみなさんに大きな感謝の気持ちが沸き起こったのでした。

後日談

結局、どうしてそうなるか分からなかった娘、最終的に息子(兄)に問題の解き方を教えてもらったのですが、、

教えてもらったのにもかかわらず、息子に悪態つきまくる娘。

理由を聞いたら、

「だって私は間違ってたけどこういう風に考えたことを聞いてくれなかったから。私は私の考え方を言う権利がある。自分だけ言うなんて酷い。」

日本人だと教えてくれたら「ありがとう」と言うのが当たり前ぐらいの感じだと思うのですが、それを悪態で返すなんて、、、、

「あなたの意見はわかったらから、自分の意見も聞け」と反論できると言うか、フランスでは絶対非を認めてはいけない(絶対に非を認めないフランス人~篠原とドュイエの柔道~も参照)ことを忠実に実践していると言うか。。。

「フランス人だわ」

と、思わずつぶやいてしまったわ。。。。。でも、娘はフランスで生きていくために必要なことが十分学べているとも言えますね。

そして、このことから息子は、

人によっては正解を言うだけでは不十分。相手の話しも聞かなければ相手は納得しない。

ってことも学べますね♪

コメント

  1. 本田一郎 より:

    私も言われなければ引っ掛かるとこでしたよ、
    息子さんと答えが同じで安心しました。

    a+b=1.2‐‐‐①
    a=b+1.1‐‐‐②
    ①+②で
    2a=2.3
    従って、a=1.15、b=0.05
    (単位は、kg)

    それにしても、これを一発で正解した息子さんは凄い

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