フランスと日本の医者の違い?咳喘息とアレルギー性咳の違いって何?

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

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フランスの医者 フランスの日常
この記事は約7分で読めます。

ことの発端は、息子が一度、風邪を引いて咳をしていたことから始まります。

風邪を引いて、咳がでるのは至って普通。が、しかし、そこで終わらないから多少心配になった。

なんと2ヶ月経っても咳が止まらないのだ

そこで、一般医に行くことに。

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「咳が続いている」と言うとおののくフランス人達

何故かわからないが、

「咳が2ヶ月続いています」

と言うと、( ̄□ ̄;)ギョッとするフランス人達

実は、去年、筆者も咳が続いて困ったことがあったのだが、その時、ドクターにも、薬局の人にも一歩引かれた対応を取られてこっちの方がびっくりした。

肺結核とか、その辺りと思われるのかしら?

でも、どう考えても肺から来ている咳ではなく、「喉がイガイガ」するだけだったのだけど、そのことを伝えても喉に対する薬やアドバイス等は貰えず、結局抗アレルギーの薬を渡された。

が、当たり前だがまったく効かない

その時日本に一時帰国したので、日本の薬局に行って見つけたのが、

のどスプレー パープルショット

このアズレンと言うのが喉の炎症を治してくれるのだ。とにかく炎症が治らないと、喉のイガイガも治らない。

フランスにはこんな気の利いた薬がないのが残念だ。

そしてアズレンを、3日間、のどにスプレーしてたら咳が止まった。

でも、今回は、息子の咳は私のように「喉」ではない感じだ。
そこで、取り敢えず、一般医のところに行くことに。

そこで、「肺は問題ない」し、「重大な問題もない」、ただの空咳かも?

と言われ、また「アレルギーを押さえる薬で様子を見ましょう」と言われた。

一昔まえは、咳止めシロップを渡されるところだろうが、最近は「肺が悪くなる」と言うことで、咳止めを処方されることは滅多になくなった。

そこで渡されたのが、去年、筆者が処方された薬と同じ、抗アレルギー剤。

DESLORATADINEデスロラタジン
長時間持続タイプの抗ヒスタミン薬。花粉症、アレルギー性鼻炎など、アレルギーの諸症状を改善。効き目が早く、眠気や口の渇きなどの副作用が少ないのが特長。
(デスロラタジンを有効成分とする薬剤は日本では発売されてないそうです。)

アレルギー

が、まったく効かない( ̄□ ̄;)

咳喘息を疑う

確かに、息子はちょっとアレルギー気味。
アレルギーの人は、鼻水だけじゃなく、咳もするそうなので、時期もアレルギーが多い季節なのでそうかもしれないと思うが。。。

3週間経過しても、症状変わらず

相変わらず咳をして、もう、声も枯れてきた。

そこで、ネットで調べていたところ、

咳喘息

と言う項目を見つけた。

かぜは治ったはずなのに、咳はちっとも治まらない、といったような状態が数週間続いたら、それは咳喘息かも知れません。
・・・・
この病気は、特にアレルギーのある人に多いとされています。アレルギー反応によって、気道が炎症を起こしてしまうためです
  かぜに併発して起こることが多く、かぜをひいたあとに2~3週間以上、咳が続くことがあれば、この病気の可能性があります。女性に多い傾向があり、しばしば再発を繰り返します。

長引く咳にご注意!咳喘息

まさに、ピッタリだ。

診断基準
1. 喘鳴を伴わない咳が8週間以上続く
(聴診器で聞いても呼吸にゼイゼイ、ヒューヒューという音が入らない)
2. 喘鳴、呼吸困難などを伴う喘息に今までにかかったことがない
3. 8週間以内に上気道炎(かぜ)にかかっていない
4. 気道が過敏になっている
5. 気管支拡張薬が有効な場合
6. 咳を引き起こすアレルギー物質などに反応して、咳が出る
7. 胸部レントゲンで異常が見つからない

記1・5の二つを満たすことで、咳喘息と簡易的に診断することもあります。

5. 6. 7.はわからないが、前回のお医者さんの診断でも聴診器で聞いても呼吸にゼイゼイ、ヒューヒューという音が入ってないことは分かっていて、1.2.3.4.は満たしている。

息子からの聞き取りや、ちょっとした実験で、肺や、喉ではなくて、どうも「気管支」が問題で咳をしているのは確かなので、もしかしたら、下記の図の状態なのでは?と考えた。
咳喘息
(「長引く咳にご注意!咳喘息」より拝借)

咳喘息はそのまま自然に治ることもありますが、約30%が喘息に移行するといわれています。喘息への移行を食い止めるためにも早い段階で薬を使って、気道の炎症を抑える必要があります。特に吸入ステロイド薬の使用は「咳症状の治療」とともに「喘息への移行を予防する」効果が期待できます。

この状態で、咳を続けると、喘息になるかもしれない。
気道の炎症を抑える必要がある。特に吸入ステロイド薬有効

と言うのは、どのサイトにも書かれていた。

早速この推測をお医者さんに話して相談してみようと思って、咳喘息のフランス語サイトもプリントアウトして、再度、一般医のところに行って来た。

目的は、吸入ステロイド薬などの「気管支の薬」を貰って、気道の炎症を抑えること。

再度一般医に行く

「咳喘息」はフランス語で「La toux variante de l’asthme」と言う。

が、ちょっと不安だったのが、この言葉が「英語圏」から来た言葉のように紹介されていたサイトがあったことだったのだが。。。

案の定、「喘息」って言葉だけに反応された気がする汗)

いや、だから、その紙にも「咳喘息」は喘息ではないって書いてあるじゃん!
言葉の使われ方は「喘息」だけど、ようするにそういう症状なだけで、そういった症状の場合、気管支を正常にするのには、喘息にも使う「気管支の薬」が有効って話じゃないの?

と思うのだが。。一般医はがんとして、喘息ではないと言う。
だから、、喘息ではないって。。筆者もそうはじめから言ってるのにどうして聞いてくれないかな・・(汗)

「他の病気かもしれないし、このまま抗生物質をあげるって方法もあるけど、何もないのにあげてしまうのを避けるために、専門医に見て貰ったください」

と、肺の専門医を紹介された。

一応言っておくが、この一般医は、他の一般医に比べて腕がいい方である。
専門医に行った方がいいと言う判断は、それでいい判断だったのかもしれない。

その日のうちに、肺の専門医に予約を取った。
しかし、取れた予約は2週間後。(┐・・┌)ゲッソリ…

肺の専門医に行く

肺の専門医に見てもらった。

「喘息ではありません」

はいはい。はじめっから私も違うと思ってますよ。は~い。もう解ったから。
それで?その他は何もないの?

しかし、専門医は、そこで終わらず、その場でアレルギーのテストも行うことに。
この後、自主的にアレルギー専門のところにアポイントとろうと思っていたので、ここでやってくれるなら一石二鳥。

そして、検査の結果、息子はダニなどのアレルギーがあることが解った。

「アレルギーが原因で、咳がでてるのでしょう。このまま咳が続くと喘息になる可能性もあるので、アレルギーを押さえる薬と、気管支の薬を出しておきますね」

ということで、やっとこさで、吸入ステロイド薬をもらうことができましたε-(´∀`*)ホッ

フリゾタイドFixsotide 100マイクログラム
気管支の薬

とにかく時間がかかるフランスのお医者さんめぐり

ここまでくるのに、

トータルで5週間

咳喘息を疑ってから、吸入ステロイド薬をもらうまででも2週間かかっています。

日本だったら、大きな病院一日で終わりませんか?(/_;)

そして疑問に思ったのは、

フランスでは「咳喘息」は一般的な言葉ではないのか?

と言うこと。

結果的には、「咳喘息」に効果があると言われる薬が処方されたわけですが、それはアレルギーからくる症状の治療として渡されたわけで、「咳喘息」とは診断されてないわけです。

「咳喘息」も「アレルギーによる咳」も同じことを指しているのかが分かりませんでした。

同じことを指すなら、同じ表現にしてもらわないと。。と思うのですが、、この辺り、日本のお医者さんからの見解を聞きたいところです。

でも、いずれにせよ、アレルギーによる咳も咳喘息と言われている症状も「気管支が炎症を起こしている」ことを指しているので、同じ薬にはなるのでしょう。

とりあえず、2ヶ月ほど吸入ステロイド薬で治療後、10月にはダニの季節だそうで、この時にまた咳がでないか様子をみるそうです。

吸入ステロイド薬のお陰で、咳はしなくなった。
と言うことは、「咳喘息」の診断基準の5.もクリアーってことのようです。

コメント

  1. RYO より:

    Ulalaちゃん、お久しぶり!

    まさに、私がそうなのよー。
    風邪の後いつも咳だけが残って2カ月とか・・・。
    そして、デスロタジン。まさに同じパターン!私もアレルギー体質なの。
    で、咳喘息だって言っても喘息ではないと言われ。
    こっちってまだアレルギーに対してかなり遅れてるよね。
    ということでアレルギー科に行ってテストしてもらったところ。
    まだステロイド吸入までたどり着いてないよー、涙。

    • ulala より:

      Ryoちゃん元気~~♪今、どうしてるのかな?って思ってました。
      こっちも見てくれてありがとう♪

      そう。咳喘息って名前が悪いと思います。咳喘息は、「喘息ではなくて、喘息のような症状がある状態」なのに、こっちの先生は、喘息だけに反応しちゃうんです(汗)まじ、困る。
      アレルギーの人がなりやすいけど、決してアレルギーだけが悪さしてるわけじゃないかと。なので、デスロタジン飲んでも治らないのに・・
      ステロイドだけじゃなくても、日本だとなにかいい気管支拡張剤もあるみたいですが、こっちはあるのかな?

      取り敢えず、咳が収まるといいね。がんばれ~~♪

  2. sugako suzuki より:

    ulalaさんの記事を読んでいて、12月から風邪から始まり、良くなったあと気管支炎で咳が続いている私と症状が似ているなと思いお便りしています。イギリスに住んでおります。私はアレルギー体質歴35年で20代で湿疹、その後湿疹がましになったと思ったら花粉症、気管支炎に移って着ました。現在は気管支炎は痰、咳で夕方から特にベッドでは体が温まるし、ヒーティングで空気が乾燥するので、さらに酷くなります。GP(ホームドクター、最近変えたばかり)では以前の医者が処方してくれた薬を出してもらえず、まずは、ステロイド吸収(1、SALAMOL SULPHATE 100ミクログラム  BECLOMETASONE DUORIOUIBATE 50 ミクログラム) 抗生物質

    • ulala より:

      こんにちわ♪
      メッセージありがとうございました♪やっぱりステロイド吸入は入ってるんですね。
      結果を言うと、このステロイド吸入だけで、すっかり治り、現在は問題ありません。アレルギーの影響も受けて、気管支が荒れた状態だったんだろうな。。。と思われます。
      次回は、専門医に行かなくても、なんとかホームドクターを説得して、すぐに薬をもらいたいところ。。。道は長そうですが・・・

  3. Mari より:

    初めまして。
    フランス在住のMariと申します。
    フランスに住み始めて4年になるのですが、まだフランス語があまり話せず、四苦八苦しながら生活をしています。
    「咳喘息」「フランス語」で検索をして、こちらのサイトにたどり着きました。
    私自身が咳喘息なのですが、やはり医者に行っていろいろと説明するのですが理解してもらえないのです。そもそも、私のフランス語ができないからだろうという医者の前提もあって。調べて説明文を書いてから病院に行っているのですが、
    「咳が3か月続くんです」
    「風邪だよ。風邪の後で3日間咳が出るのは普通だ。」
    「3か月です」
    「3日~1週間は普通だって」
    「3か月ですって!」
    「3日は普通だって言ってるでしょ」
    という、漫才のようなやり取りをしています(涙)

    医者を変えて、今の医者はステロイド吸入薬も出してくれるのですが、ちゃんと専門医に行って、専門医にも見てもらいたいと思っています。そのためには、今のお医者さんにちゃんと説明したいのです。
    ulala様が記事内に書かれていた「咳喘息のフランス語サイト」を教えていただけませんでしょうか?「La toux variante de l’asthme」で検索したのですが、該当するサイトがどれかわからなかったのです。子供が小さいので語学学校に行けてなくて、改めてフランス語力をちゃんとつけないといけないと思い知りました。

    お忙しい中お手数をおかけして申し訳ありません。
    上記のサイトを教えていただけると幸いです。
    どうぞよろしくお願いいたします。
    *メッセージを直接お送りしようと思ったのですが、なぜか送れないのです。ですのでコメントに書かせていただきました。

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