【フランスに学ぶ】お金持ちの住む街に貧困者用の施設が建設されてどうなったか?

「高級ブランド店やマンションが立ち並ぶ東京港区南青山に児童相談所設置に対して、一部住民が激しく反発しており、説明会は怒号が飛び、大荒れとなった。」

なんていう、日本のニュースを聞いて、なんだかデジャヴ感でいっぱいになりました。

というのも、フランスパリでは、2016年にホームレス自立支援施設を16区に立てる話が持ち上がった時も、説明会は怒号が飛び、大荒れとなり20分足らずで中断となったことがあったからです。

大荒れの説明会

フランスパリの16区にホームレスのためのセンターを建設するにあたり、住民から大きな反対運動がおこりました。その時の集会の様子がこちらになります。

罵声・ブーイング・口笛の嵐(;^_^A

それでもちゃんと説明をしようと進めて行きましたが、ブーイングと言うか、もう区長に「辞職しろ」とか、話をちゃんと聞く人はほぼおらず、ずっと悪口の嵐でまったく続けらない状態。

16区にホームレス自立支援施設

というのも、2016年、住む家がなく困っているホームレスのために、住むところを提供うし自立を支援するセンターを建設することになったからです。

はい。一応建前と本音のあるフランスですので、名称は「ホームレス」が使用されいますが、この施設は近年急速に増加しパリの街角に溢れている難民も入ることができる施設でもあるようです。

近年、ホームレスももちろんですが、難民がパリ内に急増したことを受け、新たな施設が必要になったのは間違いありません。

そこで、建設地を探すことになったのですが、実はパリ内では2区、6区、16区以外の区はすでに施設があるのです。

それでもって、2区、6区は物理的に新たに建築することも難しい地域。そこで、ブローニュの森があり、比較的場所を確保できやすい16区に建設許可がおりました

しかし、16区と言えば、日本人も多く住んでいる区ですが、他の区と比べても家賃も高い

高級住宅街

シックなお店も立ち並び、高級アパルトマンが立ち並ぶ、閑静な住宅地、シックで重厚な雰囲気をかもし出しているエリアなんです。

カルロスゴーンさんの後釜と言われているルノーのティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)の出身校でもあり、経済を学ぶ人の中でも賢い人が行くと言われているDauphine大学もあります。

そして、集会は、そのDauphine大学で行われ、多くの街の人が参加しました。

パリ16区で起こった反対運動

集会に集まった人達は、すでに集まった時点で興奮気味。何かインタビューでも行われば、次々にお腹の中に溜まった不満をぶちまかします。

「歴史的な建築物や美術品があるようなところに建設するのはよくない」

など、遠回しにお上品な言い方をする人もいますが、基本は

「どうしてここに建てるんだ。他の場所に建てればいいじゃないか。」

というのがどうやら本音のよう。。。

何が問題なのかは、インタビューでこう答えています。

「同じレベルで勉強してきたわけじゃないし、文化も違うのよ。これは差別ではないわよ。真実よ。」

同じレベルの教育を受けてきた人以外とは住めない。まあ、完全に難民を念頭に話していると思いますが。

「対応したお店も、学校もない地域。ホームレスが一ユーロ以上するバゲット買えるの?」

16区は高いお店しかないから、ホームレスは買えなくて困るだろって。。。確か青山でも1600円のランチがどうのこうのって。。



「センターの前にある家の価値は、30%も値を下げた。もう売れもしないし新たに買えもしない。」

不動産の価値がさがることがやはり問題なようですね~。

インタビューされている側は、隠すこともなく不満が溢れるように出てきます。

それにしても、インタビューを受けている反対派の人達は、なんだか年配の人が多い気がするのですが、もちろん中には若い方もいます。

眼鏡をかけた、まだ若そうなエリートサラリーマンっぽい人も、集会中はこんな掛け声を。

SALOPE あばずれ、売女の意味

説明されてる方が女性なんですね。女性に汚い言葉を投げつける時にこの言葉を使います。いや~。ほんとやだな~こんなこと言う人~

しかも、かけ声はそれだけにとどまりません。

Brosse à caca うんち用ブラシ

何人かいる副市長の一人が Marie-Caroline BRASSEURと言う名前で、そこから出てきた悪口のようです。家でそうやって文句言ってるからスラスラ出てくるのか。。

や、ヤバすぎて笑った(笑)

いや、でも、一応フォローしておきますと、以前、お金持ちの人ばかりがいる地区の集まりに行った時もこんなんでしたよ。

すごい罵声の嵐しで、汚い言葉投げまくり。ご近所さん同士でこんなこと言いまくって今後のご近所づきあいに影響がでるんじゃないかと言うレベルでした。

裕福層がお上品なわけではありません。

ご心配なく。こんなこと言っちゃたりする人は、この方だけではありませんので(*^─^*)

センター建設中に起こった何回もの放火

そんな物別れ的な集会を終えても、ホームレス自立支援施設は予定通り建設されました。

しかし、建設中には、2回も放火騒ぎが!

いや~、誰がやったかはわかりませんが、放火とか言ったら犯罪です。でも、いるんですよ。お金持ちの地区でも、勝手に街が気に入らない看板を作ったら、夜中に行って引っこ抜こうとしていた人とかいました。ほぼ、思い通りに生きてきてるので、なんでも思い通りにならないことを受け入れることできないんだろうな。。と憶測してしまいますが。。

それでも、全焼することもなく、無事ホームレス自立支援施設は完成することとなったのです。

ホームレス自立支援施設完成から、一年後

その一年後。センターが建てられた後は、特に問題はおこっていないとのこと。

ホームレス自立支援施設では、18m2の部屋で、子供とささやかな生活を始めている人もいました。

外で過ごす生活に比べたら、ここは幸せばかり。週一回、子供用にミルクの配給もあるそうです。食料もですが、古着なども近くの住人から寄付もあるそうです。

近所の住人からも、

「うまく建設されてるよ、まったく問題ない。」

と言う声も。

建設され、実際にホームレス自立支援施設が身近にあっても、問題ない生活が送れることがわかり始めた人もいるようです。

現在では。。

それにしても、フランスパリの16区に住む住人達が守り通そうとしていた、

フランスのシック

シックであることは美しいものとされてきた半面、超えられない階級や格差の象徴でもあるのだなとしみじみと考えさせられます。

フランスは、社会階層などできっぱり生活環境までわけられ、一度、貧困な階層に生まれてたら上にあがることも難しいと言う階層の固定が長年続いており、16区のように裕福な人がシックに生活している反面、教育を受けることの尊さも知ることなく、就職もできない人々が多くいることが問題となってきました。

それを解決するのは、

階層がない社会

階層で分けることなく同じ社会で生活し、相互理解することが大切だと言われ近年その実践が行われてきました。これもその一つと言えるかもしれません。

とりあえず、現在のところ、16区ではホームレス自立支援施設と、うまく共存しているようです。

しかし、今また、

16区のブローニュの森には、難民専門の施設が完成

前回のような、過度な反対は見られないものの、現在も受け入れ施設に対して、賛成派と反対派が共存しています。歓迎して迎える人もいれば、これ以上散歩ができないブローニュの森にしてほしくないと思っている人もいるのは、間違いないのです。

上記記事で使用した画像の動画

動画1 反対集会の様子

2016年に起こったパリ16eでホームレスのためのセンターを建設するにあたり起こった反対運動のわかりやすい説明動画はこちら。

とても、わかりやすくユーモアを交えてまとめています。

動画2 センター放火の様子

動画3 建設後1年後の様子

フォローする