フランスで女性が育児と仕事を両立できる6つの理由

働くママ

フランスに居ると、外で働いていない母親はかなり少数派。
子供が小さくても、ほとんどの女性が仕事をしています。

統計によると、子育て期間にもあてはまる25才以上、49才以下の女性の、
なんと80.7%が働いているとのこと。

息子のクラスの生徒は25人いて、そのうち働いてないお母さんが4,5人ぐらいだという事実と照らし合わせてみても、この数字に納得。

でも、仕事をしていても子育てにも意欲的なお母様たち。

確かに、日本でもフランスでも働いたことがある筆者から見ても、フランスの方が育児と仕事は両立しやすいと感じます。

ということで「フランスで女性が育児と仕事を両立できる6つの理由」

1.基本の規則が普通に守られている

就業時間、休暇が徹底して守られている

フランスでは「週35時間」と決められています。
週辺りの仕事時間が日本の40時間よりも確かに少ないですが、
少ないと言うことよりも、徹底して守られていることが、大きな違いになっていると思われます。

5時が定時と決められてるなら、キッチリ5時に終わります。

もちろん、残業することもあるけれども、

それは毎日ではありません。

男性も、女性も、大抵は決められた時間に帰宅できます。

会社での拘束時間が一定なため、職業生活と家族生活に調和が取れ、
「育児を取るか仕事を取るか」という二者択一にならない結果を導いています。

2.仕事を保持しつつ、育児ができる出産後の選択肢

育児休暇期間が3年あり、期間中の補助も手厚く、
復職後も以前と同等の地位が法律で保障されてる

出産のために産休を取った後に、フルタイムで職場復帰し出産前と同様に働く人も多いですが「子育てを優先したい」そんな場合は、2つの選択肢があります。

◯ 育児休暇(congé parental d’éducation)

◯ パートタイム(temps partiel)

生まれる日以前に、少なくとも1年以上勤務していていれば、どちらかを選ぶことができます。

期間も、子供が3才になるまで。

一番手間のかかる期間をカバーされていますし、もちろん父親、母親に両親に適応されます。(L122-28-1

またフランスで言うパートタイムは、フルタイム同様のCDIで正規雇用であり、賃金の差や、扱いの差はありません
あくまでも、働いた時間に換算され給料が支払われます。

そして、育児休暇や、パートタイム労働期間を終えて、復職しても「以前と同等の地位を保障する」ことが法律で定められているので安心して復帰できます。

◯ パートタイム労働期間(または育児休暇)終了後は、従前の雇用または少なくとも同等の報酬を伴う類似の雇用を保障される

◯ 技術変化や労働方法の変更があった場合、教育訓練への権利もある
L.122-28-7)

同時に、出産のためにパートタイム労働への転換、または育児休暇中は、CAFから補助が受けれます。(le complément de libre choix d’activité (Clca)

補助金の支給額は、

例えば、
フルタイムで働いていた人が、産休に入ると毎月572,81 ユーロ(2013年時)
(130円/1euroで日本円に換算すると、約7万500円)

通常勤務の50%の時間のみ働くパートタイムを選択した場合、435,57 ユーロ

通常勤務の50% から 80% のパートタイムでは 329,38 ユーロ

結構な額の補助金もあり、復帰も可能と言う条件があることで、安心して育児期間を過ごすことができるのです。

3.「0才~3才」期間の預けれる場所の選択肢が多い

子供を預ける場所の選択肢が豊富、そして補助が厚い

0才から3才の間に、育休を取らず、仕事をフルタイム、もしくはパートタイムで続ける場合には、子供をどこかに預けることが前提になってきます。

その場合、フランスは、通常の保育園以外にも「保育ママ」などあり、受け入れ先が豊富。

◯ 「保育園」Crèche 
0才から3才までの幼稚園に入るまでの間の、子供を預けれる場所が比較的多い。

◯ 「小規模保育園」Micro-crèche
0才から6才までの子供を9人まで預かれる

◯ 「保育ママ」Nourrice(nounou)または Assistante maternelle
0才から6才まで、各保育ママの、承認されてる人数が違うが、1~4人ぐらいまで預かれる

◯ 誰かをやとって、自宅で子供の世話、家事等をしてもらう
オーペアと呼ばれる学生さんのように住み込みで働いてもらったり、派遣会社から派遣してもらうなど

どの町でも、やはり保育園をたくさん作ることは難しく、普通の保育園だけではすべての子供は受け入れられません。

そこで「小規模保育園」。少人数しか預かれませんが、個人が経営を始めるにも敷居が低く、最近では数も増えてきたみたいです。

個人宅で保育してくれる「保育ママ」も町に多数いるので、預ける場所を限定しなければ、比較的空きを見つけやすいというのも強い味方(それでも、やはり慢性的に足りない場合が多く、本当に自分が希望するとこには出産前からの予約待ちはかかせない場合もありますが)

また、共働きで時間が不規則で、特に収入も多い家庭の場合、「家政婦さん」や「子供世話係」を自宅に雇う人もいます。
どちらか一人ではなく「家政婦さん」と「子供世話係」の二人を雇う一般家庭も普通に存在します。

そして、上記のいずれの場合でも、収入によって額が違いますが、CAFからかなり手厚い補助金を受けれます。
Complément de libre choix du mode de garde(Cmg)

収入額によっては、保育料の100%カバーされるぐらいの金額になることも。

なので「働いても、保育園代でお給料がなくなっちゃう(/_;)」

という日本ではありがちな問題がなく、無理してでも働く意味がでてくるのです。
保育

4.幼稚園、小学校期間は、学校、市町村が考慮

子供が学校に行っている時間が長い

「フランスの学校は一日の授業時間が長く、子供にとっては負担になっている」

とよく言われますが、それは、親達が働いている時間に合わせた結果でもあります。

フランスの学校は通常の仕事が終わる時間に合わせて、幼稚園でも4時~5時に授業が終わるのが一般的。

残業や、5時以降に仕事が終わる場合でも、放課後は6時半ぐらいまで市町村の職員管理のギャルドリーGarderieで子供をみてもらうことが可能。職員に解らないところを質問しながら宿題をすることができる、エチュードゥEtude surveilléeがある学校もあります。

しかも、公立なら、幼稚園も小学校も無料。

放課後のギャルドリーの値段は市町村によりけりですが、かなり低料金、もしくは無料の場合も。

これにより、3歳を過ぎれば、日中は子供の心配することなく仕事ができるようになるのです。

*ここでは幼稚園と書いてますが、保育学校と翻訳される場合もあります。

5.学校生活に合わせたパートタイム勤務

企業側が子育てに配慮

しかしながら、学校に行く日は心配ないですが、子供のバカンスが多いフランス。
フランスの幼稚園、小学校は、水曜日は休み(2013年度から順次変更になる)、
おまけに6週間学校に行ったら、2週間お休みです。

そんなに学校の休みが多いと、仕事どころではないんじゃないの?

と言う気もしますが、もちろんその点もカバーされています。

市町村経営等による、ソントル・ロワジールCentre Loisirと呼ばれる児童館があり、
水曜日や子供のバカンス期間中、遊ばせてもらいながら預かってもらうことができます。

しかし、一番注目したいのは、
学校に合わせた働き方ができるパートタイム(temps partie)。

できる、できないは会社にもよりますが、周りには、活用しているお母様方が結構います。

例えば

例1:
通常日はフルタイムで月曜日~金曜日まで働き、子供のバカンスの時は働かなくていい。
その代わり、100%のフルタイムで働くよりも、10%少ない給料

例2:
通常日はフルタイムで月、火、木、金曜日働き、水曜日と子供のバカンスの時は働かなくてよい。
その代わり、100%のフルタイムで働くよりも、20%少ない給料

計算してみると、給料の10%は、子供のバカンス中、毎日Centre Loisirに預ける金額と同じぐらいになるそうです。

このことにより、通常時はフルタイムで働くことができ、子供が家にいる期間に子供と接する時間を十分持てる、理想的な勤務体系じゃないでしょうか。

6.仕事をする権利が確立している

女性が仕事をすることに理解がある

女性が仕事をすることに、ほとんどの人が理解を示しています。

例えば、一番身近な例として、子育てと仕事を両立している教師。

実際の話、教師が産休に入ったり、教師のお子さんの病気で休みがちになったりすると、授業がきちんと進みません。
臨時の先生が来るわけですが、産休のとり方によっては、年の半分も担任の先生がいない年度もあることになります。

あまりにも、子供達の勉強状況が悪くなったので、この件に関して多少文句もでました。

けれども、文句を言う人がいるとしても、

「休暇を取る権利は、誰にでもありますから!」

と「ビシリ」。他のお母様方からの反論が返ってくるのです。

こういった女性同士が擁護するのは、

「自分が同じ立場だったら権利を行使するのはあたりまえ」
「自分達も大変だった。だから、この一番大変な期間を支えてあげたい」

そんな気持ちが働いているためで、他人事であろうとも「女性の権利」を守ろうとする結束すら感じられます。

あとがき

祖父母
これだけ、フランスの女性が仕事に精を出すのは、失業も多く、離婚も多い事情もあります。
昔から、女性であっても経済的に安定するために、自立を目指さなければいけなかったのです。

その結果、経済的に自立できる女性も増え、現在では結婚する意味も薄くなり、いろいろな意味で便利なPACS (事実婚)というスタイルを選ぶカップルも多くなりました。

そんな発展しているように見えるフランスですが、問題はすべて解決していません。

フランスでも、まだまだ男性が女性に家事、子育てを押し付けることが問題になってますし、女性のキャリアの構築もある程度になれば上に登れなくなるということも言われています。
育児と両立していくために、便利なシステムがあるようにも見えますが、十分足りているかと言われれば、足りていません。

フランスでも、まだまだ、育児と仕事の両立が難しいと思っている女性は多いようです。

そこで、フランスでも忘れてはいけないのは、祖父母の存在。

パリなどの都会では少ないかもしれませんが、筆者の住む地域では、祖父母が近くに住んでいる家庭が多いです。

両親共働きの家で、水曜日やバカンスになると祖父母が孫の面倒を見ている姿がよく見られますし、近くに住んでいなくても、バカンスの期間は、子供だけ祖父母宅で過ごしていたりします。

病気で保育園には行けない場合でも、急な残業でお迎えに行けない場合でも、頼りになる存在なのがやっぱり祖父母。

祖父母など家族が近くにいて、面倒を見てくれると言うのは、どこの国でも理想的な環境なのかもしれません。

でも、祖父母はあくまでもサポートのサポート的存在。

上記のように、女性が働くための基本の問題点を解決するシステムのお陰で、祖父母も、常に孫の面倒を見る必要もないことも、快くサポートしてくれるようになる理由の一つではないでしょうか。

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